祇園祭・動く美術館

各山鉾の周りには、前懸、胴懸、水引など多くの装飾品がかけられている(懸装品という)。それぞれその当時の町衆の浄財で作られていて、ギリシャ神話や旧約聖書を題材にしたインドやペルシャの絨毯がかけられている山鉾も多い。室町時代には一番ぜいを尽くした輸入品だったのだろう。祭りを支えた町衆の財力と心意気が感じられる。比較的新しいところでは円山応挙の下絵や竹内栖鳳梅原龍三郎、上村松篁などの作品も使われていて、何百年後には貴重な美術品と言われているのだろう。祇園祭が動く美術館と言われる所以の一つである。今年、太子山では御神体の衣装を233年ぶりに新調された。


占出山のこの胴懸けは日本三景が刺繍で書かれていて近年複製された(これは松島)。これだけで1千万円はするかもしれない。


黒主山町内にあるこの店は創業270周年を記念して、270匹の鯉が泳ぐ姿を描いた幟を飾っていた。
233年なり270年という数字を聞くにつけ、歴史を感じざるを得ない。アメリカ人が絶対に感じることができないものである!?