御所南小学校

十数年前、都心部の小学校では住宅がビルに変わった影響で児童数が減少し、学校が維持できないとして、盛んに統廃合が行われた。

東京遷都で寂れた京都を復興させるのは人材育成だとして、明治2年に町衆が土地や私財を提供して64もの小学校を開設した。当初は上京○○番小学校と言うような名称で、総称して「番組小学校」と呼ぶ。各町内が挙って建設したものだから、”学校密度”は非常に濃く、我が家から西に2分歩けば母校竹間小学校があり、東に5分で富有小学校に着く。
ちなみに、娘は竹間小学校の123期生ながら最後の卒業生であった。

この御所南小学校は、竹間小学校を含む近隣の5小学校を統合してもとの富有小学校跡に作られた。それでも創立時はやはり児童数がすくなかったが、最近は増えすぎて教室が足らないと聞く。

理由は?

スーパー小学校だからである。文部省の認定した全国で7つしかないコミュニティスクールで、地域との連携はもとより学力向上にも注力していて全国的に有名らしい。(正月に他県に住む親戚が挨拶に来た際に、わざわざ見学に行き初めてそのことが分かった)先生も熱心で優秀な人を集中させているらしい。
この小学校に来るために、引っ越したり越境する人も多いので児童数が増えたようである。
そんなことなら、何も統合しなくてもよかったと思うのは考えすぎか?

昨年秋に運動会を見に行って驚いた。IDカードがないと入れないのである。昨今の状況でセキュリティを意識しているのだとは思うが、過剰反応である。
「おお、運動会をやっているな、ちょっと見てこようか」という地域の人が行けない仕組みを作って何がコミュニティスクールかとも思ってしまう。

因みに、御所南という呼び方はこれが最初で、この小学校のお陰で定着した地域名となりつつある。長い歴史を持ち、由緒ある地名も多い京都では珍しいことである。