犬矢来

  

犬矢来(いぬやらい):京都の街なかでよく見られる風景である。元来は、道を行く馬や荷車の泥はねを防ぐため、民家の壁を守る役目が発祥であるらしい。現代は舗装されてその必要がないが、江戸時代から昭和の中ごろまでは生活に根付いていた。一説には、犬の小便除けとも言われている。名前の由来はその辺りかもしれない。

この写真は二軒とも料理屋さんであるが、ここ富小路通御池を下がった200mの間には他にも数件、犬矢来を設置した家がある。普通の民家もある。
まっさらの竹で作られている時はきれいだが、月日が経つと劣化して黒ずんでくる。年に一度は変えなければならないので、経費もかかる。町屋に住むというのは結構維持費がかかるのである。(普通の民家の1.5倍かかると言う説もある)

因みに我が家は、竹製にする余裕がないので木製で黒のペンキを塗っている。それすらここ数年手入れを怠っている始末である。

「あれはなんと言うものだ」という地方の方の質問にお答えする形で掲載しました。(東京を地方だなんて呼んですみません。)