羅臼岳其の2・ヒグマ出没!?

午前4時に宿舎を出発したが、既に明るく北緯44度東経145度を実感したひとときであった。レンタカーで登山口の岩尾別温泉まで行く途中、無数のエゾシカに遭遇した。朝早いせいもあり、道路上を歩いているのですこぶる危険であった。
岩尾別温泉には「ホテル地の涯」という、場所にふさわしい名前のホテルがある。その横にある無人の木下小屋で必携アイテムである熊除けの鈴を購入。実は北海道ならホームセンターに行けば売っているだろうと高を括っていたがどこにもなく、少々焦っていただけにまずはひと安心。

道中、「オホーツク展望台」から「650m岩峰」までが、熊の好む蟻の巣がたくさんあり、危険地帯である。同行のK君は鼻が利くらしく、しきりに「この辺は獣のにおいがする」と言っていたが、僕には気が付かなかったが、緊張の連続であった。熊を見たい気がするが、突然目の前に現れるのは嫌だという心境である。

羅臼岳は標高1660mとそんなに高くはないが270m地点から登り始めるため、高低差は北アルプスと変わりはない。

羅臼平まであと少しのところに雪渓があり、直登で斜度も大きくこれが結構きつかった。振り返れば真っ青なオホーツク海が眼下に飛び込んできた。

頂上はガスっていて眺望は利かなかったが、なによりも強風で寒くてすぐに降りてきてしまった。それでも知床連山はよく見えた(一番奥が硫黄山)。