京町家作事組


典型的な塀付京町家が改修をしている。場所は衣棚押小路を上がったところ。築100年近くなると、どうしても所々が傷んでくるが、これを修理するのがとても大変。
一つは費用の問題。
町家に住み続けるには、普通の家よりも1.5倍経費がかかるという話は、実感として理解できる。
二つ目は資材、職人の問題。
建築当時のままに再現するとしても材料がない。その当時はプラスチック、アルミサッシなんて便利なものはなかったし、材料があったとしてもそれを作れる職人さんが減ってきている。我が家にも手作りガラスの戸があるが(よく見れば波打っている部分がある)、ある人が見て「このようなものは二度と作れないから、大事にしなさい」と言われて、その価値を再認識したことがあった。
文化財級ならまだしも一般の民家では、1と2の問題は大きい。

伝統建築に熟練した大工、左官、瓦師たちの集団で、京町家の保存・再生を支えていこうとしていることは仕組みとして面白いし、頼もしい。
ただ、この家は普通の民家として再生されるのか、いま流行の「町家風カフェ、料理屋」となるのかは気がかりなところではある。