祇園祭・鱧祭り

7月1日の吉符入りに始まり、31日の夏越の祓いで終わる祇園祭も、16日宵山17日山鉾巡行が一番盛り上がる時である。昨日から各山鉾に提灯がともり一帯は大勢の見物客で夜遅くまで賑わっていた。祇園祭が屏風祭りとも言われているのはよく知られたことである。去年の記事から
祇園祭は別名「鱧(はも)祭り」と呼ばれているのも有名な話である。この時期の鱧は油が乗っていてとても美味で、生命力も強く海から遠い京都では昔から珍重されていたようである。うなぎと似た姿かたちだが、食べ方は異なる。「落とし」と呼ばれるのは、骨きりをした鱧をさっと湯通しして刺身のように梅肉で食べるのが一般的である。鱧は小骨が多く食べにくいのだが、皮一枚を残して骨きりをするには料理人の腕前が左右してくる。錦の刃物専門店では、鱧の骨きり専用の包丁を扱っているのを見ることが出来る。刀のような長さの野太い包丁である。
京都の魚市場の扱い量は築地の十分の一らしいが、この時期の鱧の取扱量は日本一である。祇園祭=鱧を食べるは、京都の人には染み付いていて、鱧祭りと呼ばれるゆえんでもある。