宇治橋





古より宇治川は流れが速く、京都から奈良へ(あるいは奈良から京都へ)の交通の要衝が宇治橋であった。歴史や物語にその名は刻まれている。源義経軍が木曽義仲軍を追いかけて京へ攻め入ろうとしたとき、宇治橋が落とされていて渡ることが出来なかった。そこで急流を馬で渡ろうとして、佐々木高綱梶原景季が先陣を争ったのは有名な話である。

毎年秋に宇治茶まつりが行われ、秀吉が宇治川の水を汲んで茶会を行った故事にならい、直下の宇治川の水を釣瓶で汲む行事が行われているのが、この三の間である。


宇治橋から見る塔の島はきれいな眺めで、この右手には平等院がある。



また源氏物語後半の宇治十帖の舞台でもあり、浮舟が身を投げたのがこの宇治橋たもとである。近年の源氏物語ブームで多くの観光客が訪れている。近くには源氏物語ミュージアムという素敵な博物館もあり、平等院宇治上神社世界遺産もあり、観光客の多くは必ずこの橋を渡っていると思う。