隠れた紅葉の穴場

崇道神社参拝の帰り道、鮮やかな紅葉に誘われた。
その主はどちらかと彷徨ううちに、この門の中であることに気が付いた。

遠慮しながら中に入ってみると、全面の紅葉に囲まれたお庭に出た。

侘びた山荘なのか、はたまたお寺なのか、思案しながらも
紅葉を愛でていると、鐘楼の前に出たので、お寺であることが分かった。
ここが尼寺で、垣根の向こうから幼い女の子が出てきたならば、
源氏物語「若紫」になるが、そう物語のようにはならなかったのは当然か⁉

お寺にしては表札もないなと思いながら門を出て振り返ると、
なんとここが正門であったことに気が付いた。

表札には「拝観寺院ではありません」と書かれていて、
裏門から入ってしまったことを恥じ入る次第である。

参拝客?は二組の中年の夫婦連れだけで、全く静寂な山の中のお寺であった。
この先客たちは偶然通りかかった僕とは違って、最初からこのお寺が目的で来たようである。どうやって穴場を知ったか興味あるところである。

京都には他にもこのような場所があるのかもしれない。
まだまだ勉強不足である。