年に一度の国宝の虫干しを見るため、高雄の神護寺にお参りした。
どれほど国宝を所持しているか知らないが、その中から絵画や書を観ることができた。
特に源頼朝像や平重盛像は皆の知るところである。
最近の研究では頼朝や重盛を描いたかどうか不明だとして、
伝源頼朝像というのが一般的だそうだが、そんなこと知るかとばかりに
目録には堂々と源頼朝像とあった。
何より驚いたことには、これらはガラスケースに入ることなく展示されている。
故意だけでなく過失によって傷を付けられたら大変だと、他人事ながら心配をしてしまう。
僕は息や唾液が飛び散らないよう、ハンカチ王子よろしく口元を覆って見学した。
空海直筆の灌頂暦名はガラスケースに収まっていたが、ところどころ筆で修正してあるのが良く分かった。
「弘法も筆の誤りです」と、説明してくれた僧侶がボケてくれたのも面白かった。
ここから下は昨年10月に参拝した際の写真。
京都随一ではないかと思うほどの紅葉の名所であるが、それには少し早かった。
これ程の古刹でありながらお隣の高山寺と違って世界遺産になっていないのは、
昭和に再建されたこの金堂が邪魔をしているのではないかと、勝手に思っている。
小学校の遠足で、ここからかわらけを投げたことを覚えているが、
今でも健在で多くの人が挑戦していた。