家具のまち夷川通にでんと構えていた美術道具屋万市が3月いっぱいを以って
店を別のところに移転した。
移転を知らせる貼り紙には「明治8年より143年に渡って営業してきた」とあり、
無念さが滲み出ている。
堂々たる立派な店構えだが、この辺りは毎年地価が高騰しており、
これだけの面積があれば手放す気持ちも分からないでもない。
仁丹の看板が2カ所に掲げられていたのだが、どこへ行ってしまったのだろうか?
この様な残念な光景は、京都の街中至る所で見ることができる。
面で保たれていた「京都らしい風景」を、点になってしまってから悔やんでも遅すぎると思う。