グループ諧(関東一円から来た絵の上級者たち)の皆さんが延暦寺でスケッチをしている間、絵心のない僕は時間つぶしに無動寺谷を目指した。
ここは千日回峰行の行者さんが毎晩駆け抜けていく道の一つである。意外と道は整備されていた。
しばらく下ると閼伽井が見えてきた。
明王堂。堂内では修行僧が床を丁寧に雑巾がけしていた。参拝客は僕のほかは誰もいなかった。
回峰行者がお供えに使用するので、座ってはいけない。
毎晩ここから京都御所に向かって遥拝するところだが、直接御所は見えないはずである。
阿闍梨さんの住まい。さすがに門は叩けなかった。
延暦寺広しと言えども、ここまで来る人はなかなかいないのではなかろうか。往きは下り、帰りは上りで2時間弱である。