富小路綾小路

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古来陰陽道では、北東(艮)の方角は鬼が出入りする方角として、また対角線の南西は裏鬼門とも呼ばれ、ともに忌み嫌われていた。

鬼門から鬼が入らないようにと、平安京では北東の守護として比叡山延暦寺が建立され、裏鬼門には石清水八幡宮が当てられた。
庶民の家でも様々な工夫がなされ、鬼の嫌がる柊の木を植えたり、難を転ずるとして南天を植える家も多い。

現代でも京都の街なかにはいたるところに鬼門除けを見ることが出来る。
そんな中、ここではちょっと変わった鬼門除けを載せていきたい。
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以前(2014年)に田の字地区を悉皆調査した時には見当たらなかったので、それ以降家を改修した時に新たに設置したのかもしれない。
こういうのを見つけると嬉しくなってしまう。
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鬼門除けとは関係ないが、田の字地区で○○小路と名の付く通りは、縦の通り(南北)で2つ(富小路、油小路)、横の通り(東西)で4つ(押小路姉小路、錦小路、綾小路)あるので、ここのように○○小路と△△小路が交差するところは8カ所あることになる。

都市の歴史を感じさせるので、長ったらしい名前ということなかれ。