茶碗子の井戸


石峰寺へ行く途中に立派なお地蔵さんの祠があり、その傍に茶碗子の井戸と呼ばれる井戸がある。
京都の名水の一つとのこと。

「伝えによれば昔 都に住む茶人が、いつも宇治橋より、宇治川の水を汲ませて、茶の湯に用いていた。 ある時、使いの者が水を汲んでの帰り道、この近くまできて、水をこぼしてしまった。使いの者はこの湧水を持ち帰って知らぬ顔をしていた。 いつもの水と違うことを主人は見破った。 問い詰められた使いの者は恐る恐る一部始終を話したところ、主人に叱られるどころか、宇治川の水よりも良いとほめられ、その後は宇治までの遠出の必要がなくなったという」 京都市観光協会websiteより引用



藤原俊成が詠んだ有名な「、、、うづら鳴くなり深草の里」と、それを本歌取りした太田蜀山人の「、、、うづらなくなる深草の里」の二つの石碑が並んでいるが、名水とは直接関係がなさそうである。

京都盆地の底には、琵琶湖に匹敵するほどの水量があるそうで、ここに限らず名水と呼ばれるところが今も多く残っている。そのおかげで染め物などの伝統産業や、日本酒・豆腐・湯葉・茶道などが成り立っている。
その地下を北陸新幹線やリニアが通ったらどうなってしまうか心配である。