出水の小川前


京都御所の西南あたりに出水の小川と呼ばれる小さな芝生地があるが、その向かいの芝生内に枝垂桜が一本だけ咲いている。今日巣立った子どもがまだ幼かった頃はこの前でお弁当を広げたが、花も今ほどは立派ではなく人も少なかったように思う。

少し離れた場所では人ごみを避けてお花見をしている。芝生に敷物敷いて和服の女性3人が優雅にお弁当を食べている。枝垂桜の華やかさとは対象的にしっとりと落ち着いているが、これが実に絵になる光景である。
京都御所、誰でも入れる芝生、見事な枝垂桜、ドンちゃん騒ぎでない花見、着物姿の女性、コンビニ弁当ではない仕出し弁当など、これらの条件の一つでも欠けたらこの絵は成立しないとも言える。東京にはないスローな空気が流れる京都ならではである。