美術館・博物館

学校文化の舞台裏・京都市学校歴史博物館

明治になって首都が東京に移り、このままではいけないと、京都の町衆が教育による復興を目指して、全国に先駆けて64の小学校(番組小学校)を作ったことはよく知られているが、それらの資料をはじめ、京都市の学校に遺されていた教科書や教材や卒業生が寄贈…

村上隆もののけ京都 展

岐阜から入洛した友人夫妻のリクエストによりこの展覧会へ。 なんでも、村上隆という人は現代アートの巨匠で、国内外で高い評価を受けている人ということだが、名前も存在も全く知らなかった。 いつもの展覧会と異なり、若い人や外国人も多く見かけた。 もの…

竹内栖鳳展

醍醐寺の後は再び地下鉄東西線に乗り蹴上で下車。 紅葉見物で大混雑の南禅寺を横目で見て、京都市京セラ美術館へ向かった。 竹内栖鳳の特別展で、画学生の頃から円熟期までの作品展示で、とても見ごたえがあった。 どういうわけか、有名な「絵になる最初」と…

福田美術館・嵯峨嵐山文華館

福田美術館は、2019年に嵐山の保津川河畔に開設された新しい美術館である。 今回は近所にある嵐山文華館と共催で、「芭蕉と蕪村と若冲」と題する展覧会を行っていた。 第1会場である嵐山文華館では、芭蕉と蕪村、第2会場の福田美術館では、若冲と蕪村、それ…

木島櫻谷展・山水夢中

最近になって人気の出てきた木島櫻谷の、主に山水画だけを集めた展覧会が泉屋博古館で開催されていた。以前衣笠の櫻谷文庫で催された特別展の時は、獅子や馬をはじめとした動物画に圧倒されたが、今回はそれらに替わって精密な描写の山水画や精緻なスケッチ…

ポンペイ展

京都市京セラ美術館で開催中の「ポンペイ展」を見てきた。 紀元後79年にヴェスヴィオ火山が爆発し、一瞬にして火山灰で埋まってしまった古代ローマ帝国の都市、ポンペイ。 壁画やモザイク、彫像、工芸品を始め、調理器具などの日用品(中には金庫やインク壺…

上村松園展

松園さんの絵は松柏美術館をはじめ色んなところで、過去何度も観たが、久しぶりの京都市美術館である(ネーミングライツで京都市京セラ美術館と名称変更になった)。 2020年に大改修が行われ、エントランスが地下になった。 朝早くから多くの観覧者で賑わっ…

皇室の名宝展

宮内庁三の丸尚蔵館収蔵品を中心に展示されている中で、有名な伊藤若冲の「動植綵絵」図は見どころがあったが、30点のうち4点(前後期併せて8点)しか展示されていなかった。他に円山応挙は1点のみ。「春日権現験記絵」や「蒙古襲来絵詞」などの絵巻物も面白…

池大雅・木島櫻谷展

少し前のことになるが、チケットを頂戴したので京都文化博物館で開かれていた池大雅・木島櫻谷展に出かけてみた。 もちろん二人の合同展ではなく、それぞれ異なるフロアでの展覧会であった。 池大雅は江戸時代の文人画家として知られるが、その妻玉瀾は時代…

「近代京都の自然教育の歩み-SDGs達成のために」・京都市学校歴史博物館

7月から今月初旬まで開催されていた学校歴史博物館の特別企画展「近代京都の自然教育の歩み-SDGs達成のために」に出かけてきた。 明治2年、全国に先駆けて京都市内に開設された64のいわゆる番組小学校の一つ、旧開智小学校に建っている。 自然教育とSDGsに…

【番外】早稲田大学歴史館

早稲田大学歴史館で開かれている「資料に刻まれた早稲田の歴史」展に出かけてきた。 昨年1年間に寄贈された資料のお披露目みたいな展示で、28人が何らかの資料を寄贈していた。 僕もその内の一人だが他の人の重厚な資料と比べると恥ずかしいものである。 事…

安珠写真展 Invisible Kyoto ―目に見えぬ平安京

招待券をいただいたので、初めて「美術館・えき」を訪ねてみた。 「京都の源流である平安京の人々は、見えない世界を信じ、平和を願ってきました。写真家・安珠が伝承されている物語をもとに写真で表現した作品から、千年以上前の日本人が持っていた想像力と…

因幡堂平等寺展

西本願寺前の龍谷ミュージアムで開かれていた因幡堂平等寺展に出かけた。 さして期待はしていなかったのだが、本尊薬師如来像を始め多くの仏様を拝むことができ、予想に反して見ごたえのある展示であった。 真言宗のお寺の展示会を西本願寺系列の博物館で行…

学校歴史博物館・企画展

[明治維新で都が江戸に移り、町が寂れていくことを憂いた京都の町衆が、人材を育成して町を復興させようと、明治2年に各々の地域に小学校を設立した。その数なんと64校、全体を称して「番組小学校」と呼ぶ。松本の開智小学校が日本で最初の小学校(明治6年創…

島原・角屋

置屋さんから芸舞妓を呼んで宴会を催す場所を祇園ではお茶屋と呼ぶが、ここ島原では揚屋と呼んでいる。現存する唯一の揚屋建築である角屋も廃業し、現在では角屋おもてなしの美術館となっている。幕末には久坂瑞や西郷隆盛もたびたび訪れているし、壬生の屯…

MOA美術館

熱海で大学のクラス会があったので、折角だからMOA美術館を訪ねた。エスカレーターを何回か乗り換えて初めて受付にたどり着く。この館には国宝3点、重要文化財66点はじめ3500点を所蔵しているというから驚きである。 3点の国宝のうち、野々村仁清の茶壺…

花園大学歴史博物館

今年は釈宗演という偉いお坊さんの100年遠諱(100回忌)にあたり、 この様な企画展が行われている(12月8日まで)。円覚寺派の管長や臨済宗大学の学長も務めた「近代の傑僧として名高い」らしいが、 悲しいかな浅学非才の身には全く知らなかった人物である。…

「1968年」無数の問いの噴出の時代

東京へ行くのは年に1,2回くらいなので、その時はここぞとばかりに 美術館や博物館を訪れたり、友人たちと旧交を温めることにしている。 特に今回は、サラリーマン最初の上司のお通夜に参列と言う出来事もあった。 今回は、千葉県佐倉市まで足を伸ばし、国立…

国宝展

開館120周年の京都国立博物館で開催されている国宝展。 「ぜんぶ国宝、純度100%」という浮ついたキャッチコピーはいかがなものかと思いながら、 平日の午後に出かけた。2年前に開催された琳派展では1時間ほど並んだが、 今回は特に並ぶこともなくスムーズ…

オルセー美術館リマスターアート展

「自画像」(ゴッホ)オルセー駅を改装して美術館としたのが1986年と言うからそれ程歴史は古くない。 印象派を数多く所蔵し、パリではルーブルに次いで有名だと個人的には思っている。その所蔵品を3年かけて日本人がレプリカを作成した。 世界で唯一オルセ…

大谷大学博物館

「古文書が語る人々の暮らし」と題する展示会を訪れた。 大谷大学の中にある大谷大学博物館が会場で、 京都の中心部の3町内に残る江戸時代の古文書の展示が中心である。展示を見ると、その頃から町内の結束は固く、自治も機能していたことが良く分かる。 15…

奈良県立美術館

奈良市である行政の委員会に出席した後、 昼食を摂るべく奈良県庁の食堂に出かけたが、 あいにく改修中で断念。ふと通りがかりの看板に魅かれて、隣接する奈良県立美術館を訪れた。展示作品に魅かれたのは事実だが、決め手となったのは 右下「65歳以上無料」…

春画展その2

あいも変わらずどころか、日増しに行列が長くなっている。 日曜午前10時

春画展・細見美術館

日曜日の午前10時前。 この行列は何ごとぞと思い、表に回ってみて納得した。東京で好評だった永青文庫の春画展である。数えてみたわけではないが、並んでいるのは女性の方が多い気がした。

疎水記念館・蹴上発電所

明治23(1890)年に、に日本最初の事業用水力発電所として発電を開始した この蹴上発電所であるが、驚くべきことに今も現役で動いている。 京都市内の需要の1%程度を担っているらしい。こちらはその発電所を動かす水を運んでいる琵琶湖疏水の出口の一つ。疎…

芸術の秋その4・大山崎山荘美術館

大山崎山荘美術館は、 実業家加賀正太郎が別荘として建て、彼の死後はアサヒビールが管理している。天下分け目の戦いのあった天王山の中腹に位置し、 このアーチをくぐって中に入って行く。改修工事中で建物の全容が見られないのは残念である。有名なモネの…

芸術の秋その3・細見美術館

今年は琳派400年と言うことで、各地の美術館では色んな催しが行われている。 琳派の作品を多く所蔵していることで知られる細見美術館では、 尾形乾山をやっていた。五客のお皿などはすぐにでも料理に使えそうだが、 多分お宝過ぎて誰も使わないかもしれない!…

琳派展

本阿弥光悦が徳川家康より鷹峯の地を拝領し、芸術村を作ってから400年と言うことで、 いま京都は琳派ブームである(今年の京都検定2級の公開テーマは琳派である)。京都国立博物館では特別展として「琳派京を彩る」が開催中である。 27日から来月8日までは、…

琳派古今展

細見美術館は小さいながら、琳派の蒐集が多いことで知られている。 今年は、本阿弥光悦が徳川家康から鷹峯の地を拝領し移り住んでから400年と言うことで、 琳派400年として京都ではいろんなイベントが開かれている。 この展覧会は、京都の現代作家3名が、 琳…

菓子資料館

俵屋吉富が建てた資料館で、お菓子の歴史や 品評会で賞をとった糖芸菓子などが陳列されている。「雲龍」と一緒にお茶をいただくこともできる。