インドネシア

甥のS君がが駐在でいるのを利用して、六日間の日程でインドネシアに行ってきた。インドネシアと行っても多くの日本人が行くバリではなく、ジャカルタといジョクジャカルタである。全てにおいて満足のいく楽しい旅で、語りつくせば長くなるので主たる感想のみを。

・現代の日本では経験できない「貧しさ」というものを実感した。車が信号で止まればすかさず物乞いがやってくる。決してしつこくはなく、イスラム教の影響か持てる人が喜捨をするということが当たり前のようであった。ただしすべてS君の運転手つきの車で移動し、欧米の町を訪れたときのように、自由に町を散策することは危険だといわれた。
イスラム文化に接することができた。インドネシアは世界最大のイスラム人口を誇るが、人々は比較的柔軟性があり、原理主義的なにおいはしなかった。最初はもの珍しかったへジャブと呼ばれる女性がかぶるベールも、ごく自然にどこでも見ることが出来た。むしろヘジャブの上からヘルメットをかぶってバイクに乗ったり、ヘジャブをかぶったまま道路掃除をしている女性を見ると、だんだん慣れてきた。一日5回のお祈りの時間にはマイクロフォンでコーランが流れてくるのも、最初はとても珍しかった。空港や工場でもお祈りの部屋が設けられていた。

・テロの脅威は去っておらず、ホテルやショッピングセンターの入口ではセキュリティチェックがあり、車は金属探知機でチェックされトランクも開けさせられる。S君のアパート(といってもベッドルームが二つあり高級ホテルのようだが)でも入口のゲートは開閉式であった。
・交通マナーは我々から見ればとても悪く、車もバイクも我先にと運転し、日本人ではとても運転できないと思った。バイクの二人乗り三人乗りは当たり前で、四人乗りも多数見られた。お父さんが運転しその前に子ども、後ろにお母さんが坐りその間にもう一人の子どもをかかえながら、、、。車は90%以上が日本車でトヨタが一番多かった。バイクも大部分が日本車であった。

・道すがら田んぼや畑をたくさん見たが、二期作らしく米を刈り取りをしている横で田植えをしている光景も珍しくはなかった。ただし鎌を使って刈り取りをし、地面に打ち付けて脱穀している。もちろん田植えは機械など使っていない。
・貧富の差が激しく交通マナー等我々の感覚からは程遠いことはたくさんあるが、お互いが助け合うという精神は日本よりずっと有るように感じた。車で移動中対向車線の三人乗りのバイクが転倒したときのこと。すぐさま反対車線のバイクから若者が飛び出し救援に向う、歩道を走ってくる人もいる。我々の運転手も停車して助けに行こうかと様子を見ている。幸い対した事故ではなさそうだったが、日本人が忘れてしまったこの国の人の本質を見たような気がした。
・田舎に行くと鶏が放し飼いにされている。鳥インフルエンザのことが頭をよぎり、これだけは絶対に近づかなかった。