井上靖の「氷壁」の舞台になった奥又白池に行く計画で上高地を訪れた。バリエーションルートであることは覚悟していたが、前夜宿泊した徳沢園のスタッフから地震の影響もあり道がどうなっているか分からないのでお勧めできないと言われ断念し、代わりに蝶が岳に登ったのが前日のこと。
横尾への下りで体力を消耗し疲労困憊、翌日行く予定であった涸沢を一人断念し(仲間は登った)明神館に宿泊することにした。
今まで上高地へは二十回ほど来ているが、明神はいつも素通りだった。
これが意外にストライクで、上高地と違って山小屋並みの料金で、料理も徳沢園のようなステーキは出ないもののとても美味しかった。風呂も広くてゆったりと疲れをいやすことが出来た。
この宿は徳本峠の沢から水をひいている。
宿泊客は高齢者6名の団体の他は、個人客が3名だけと落ち着いたものであった。この宿は焼岳への起点になっているようである。
ペレットストーブ
この蚕棚で宿泊代金11000円也。
テラスから朝焼けの明神岳が指呼の間に見える。
澄んだ水面の明神池
仲間が涸沢から降りてくる予定の12時まで時間はたっぷりあったので、上高地を文字通り隅から隅まで周遊した。初めて入った帝国ホテルでケーキセットで1時間ほど寛いだ。この時のためにと持参した源氏物語をじっくり読むことが出来たのは、思わぬ副産物であった。
ここから先は山の写真ばかりなので、興味とお時間のある人はご笑覧あれ。
焼岳
岳沢の向こうに奥穂、吊尾根、前穂。
田代池から見ると、西穂や明神も含めてパノラマを見ることが出来る。
河童橋からではよく見えない西穂が鮮やかに見える。
どれが独標でピラミッドピークで西穂の頂上だろうか?
更に右を見れば、間ノ岳、天狗の頭、ジャンダルムと続いている。