紫式部文学賞・紫式部市民文化賞


1991年から続いている宇治市紫式部文学賞紫式部市民文化賞の式典にご招待いただき、宇治まで行ってきた。みなさんよくご存知のことと思うが、歴史あふれる町宇治は、また文化薫る町でもある。源氏物語の宇治十帖は先の44帖とは別物語であるかのごとき格調の高さで知られているが、その舞台の宇治でこのような顕彰が行われていて、今年で19回目となっている。


文学賞は、その年の女流作家による文学作品を対象に選考が行われ、今年は桐野夏生さんの女神記が大賞を得たが、招待を受けたのはそれではなく、市民文学賞に選ばれた「折々の人間学-京都で考えたこと」の著者川本卓史さんによるものである。彼はKSENという社会起業家を応援する実に緩やかなネットワークの代表を務めていただいているが、その実は大学の先生であり、その前は東京銀行の有能なバンカーであった。



これほどの人生を送られているにもかかわらず、とても謙虚でシャイである。授賞式には奥様も呼ばず(わざわざ東京から来ておられたにもかかわらず)、スピーチも同時受賞した17歳の女子高校生と比較した話で半分人を食ったようなところがあった。

授賞式の華やかさとは別に、日ごろ川本さんに親しくしていただいている面々が集まり歓談し、和やかなひとときであった。