源氏物語講座・光源氏という思想


堀川高校をはじめ京都市内の高校で長年教鞭を執ってこられた岸本さんは、毎年この時期に堀川高校源氏物語の講義を行っている。山仲間というご縁で毎回ご案内をいただき、時間の許す限り参加している。今年で何回目になるだろうか?


今回は光源氏の生涯を年代を追って解説し、18歳の輝ける青春から20歳の驕りの青春に始まり、怖いものなどなかった時代を経て、葵上の死や六条御息所との別れなど、後悔の時代へと入っていく。
さらには六条院を造営し天皇の僥倖を仰ぐなど栄華が極まっていくが、
その後紫の上の死や女三宮の密通を経験し、若さに嫉妬する「自分がかつては軽蔑した老人となっていく」という解説には気づかされることが多かった。

結局のところ、源氏物語光源氏の孤独な魂の物語であるという、岸本さんの解釈は面白かった。

100人ほどの聴衆のうち、男性は1割もいなかっただろう。
昔も今も、女性に人気のある物語だということができるかもしれない。