船場ビルディング




今年の初めのことになるが、あるサロンの主宰者Nさんに請われて、ミニ講演を行ったことがある。
演題はずばり「藤野正弘の京都まち暮らし」である。
その会場がこのビルの中にあり、後日改めて案内してもらった。
名前の通り大阪船場に位置するこのビルは大正14(1925)年竣工で、
大正モダンの香りがするといわれている。作ったのが桃谷順天館といえば古い人なら
名前は覚えていると思う(今でも立派に営業しているが)。

入口はこのようにスロープになっているが、これは荷馬車を通すために
傾斜がつけられているとのこと。


パティオ風な中庭が特徴で、Nさんもこれがお気に入り。
下には木製レンガが敷き詰めてあり、丁度作業中であった。
馬車はこの中庭まで入ってきたのであろう。


一方屋上には商売繁盛を願うお稲荷さんが祀られているのも、
モダンなビルとの対比で面白い。

何の扉か忘れたが危険の「険」の字体にも歴史を感じる。



入っているテナントもお洒落な感じがするのは、影響されすぎだろうか?