消えた大店


松坂屋京都店は呉服問屋が立ち並ぶ室町界隈の一角(新町六角下る)にあり、
専ら呉服の仕入れを行っていたようである。
建てられたのは1745年で現在の地に移ったのが1749年というから、
江戸中期からこの地で商いをしていたことになる。
この建物も明治35年に建てられ100年以上の歴史を持っていた。(wikipediaによる)

2年ほど前商売を終えたのは知っていたが、まさかこんな姿になっているとは、、、。
いまさら何を言っても遅いが、また一つ町家が消えてしまった。こんなことは、
京都の街中を歩けば残念ながらそこ彼処でお目にかかることができる。

先日我が家に調査に来られた大学の先生いわく、大丸と合併したのが引き金となったようである。
松坂屋単独ならつぶすことはしなかったであろうと。
京都創業の大丸とは思えぬ荒業である。経済最優先かもしれないが、
こんなところを維持することがその企業の懐の深さを知ることができる。
奇しくも大丸四条店が彼の地にできて100年ということで盛り上がっているが(盛り上げている?)、
その影でひっそりとこのようなことが行われたのである。


跡地では埋蔵文化財の発掘でもしているのだろう。
建物が消滅してしまったら意外と広い面積であったことが分かる。
また北側には北観音山のお蔵があるが、これまた普通の町家のお蔵とは比較にならない大きさである。
山とは言え鉾と同じくらいの大きさがあるので(曳き山)、これ位の収蔵庫が必要なのかもしれない。