聚秀軒


例によって京のまちかどをあてもなく歩いていると、とある町家の前に小さな看板が。
一度は通り過ぎたが気になって引き返し、キャッチコピーに誘われて中に入ってみた。展示会をやっていない普段の日の写真。

間口はとても狭いが、京都の町中ならどこにでもあるような町家である。
大正初期に建てられたと聞いたが、廊下の奥にはステンドグラスも。

順路に従って2階へ上ったところ、手前の間(6畳だったか?)に掲げられている絵に圧倒された。
伊藤若冲の象の絵他2点、隣を見れば池大雅のお軸が掲げられている。
隣の部屋には与謝蕪村の額も。
まさかと思いつつ「失礼ですが本物ですか?」と不躾な質問をしてみた。
当主と思しき人から返ってきた答えは、「はい、本物です」とだけ。
昨年のパンフレットを見ると、桃山時代源氏物語屏風もあるらしい。
こんなお宝級の美術品を普通の民間人がこともなげに所有しているところが
京都の懐の深さなのかも知れない。

門にはこのようなプレートが掲げられている。
展示されていた若冲の絵をモチーフしてある。