精肉店・三嶋亭



京都では正月にすき焼きを食べるのが慣わしになっている家が多い。もちろん朝は白味噌のお雑煮をいただく(お祝いするという)のだが、夜はすき焼きがご馳走である。思うに昔の日本人は「ハレ」と「ケ」を区別して生活していたように思う。普段着と外出着などがその例である。「ハレ」の典型である正月に、すき焼きという特別な料理を食することは、ごく自然の流れなのかもしれない。因みに我が家では昔はそうだったが、最近ではそれはなくなった。
京都人の牛肉好きは、余り知られていないことかもしれないが、関西で肉といえば牛肉のことである。豚肉が主の関東とは明らかに趣向が異なっている。551は豚まんであって、肉まんではないことでも明白である。この辺りの文化人類学的考察は、多くの文献があるかもしれないし(多分?)、「アホ・バカ」分類のように、ナイトスクープでも調べて欲しいと思う。
京都で牛肉といえばこの店となるので、年末はこのような行列である。他の店でも同様の光景だろうか?値段はとても高いが、普段は質素に暮らしている京都人の年に一度の贅沢かもしれない。