昨年に引き続き厳寒の上高地に挑んだ。
今回は永年の山仲間5人衆のうち仕事の都合で2人が参加できなかったが、20歳も若い二人に引っ張ってもらい何とか踏破することができた。
冬季は車が通れないので、ここから歩く。釜トンネルは長さ1310mをかけて100mほどの高さをほぼ一直線に登る。最大勾配10.9%で、昨年はここを通過するのに1時間近くかかってしまったが、今年はトレーニングのせいかほぼコースタイム通りの30分強で通過することができた。
振り返ってみれば初めてこのメンバーで奥穂高岳に登ったのが1993年で、それを記念して特大の横断幕を前夜に宿で作成し、河童橋で掲げることができた。
釜トンネルの次の上高地トンネルを抜けるとまもなく寒々しい大正池が見えてくる。
墨絵の世界である。
最後は梓川左岸を歩いたが余り踏み固められていなくて、何度も膝までずっぽりと踏み外し難渋しながら河童橋にたどり着いた。
夏には鈴なりの人だかりがしている河童橋に人影がないのは稀有なことである。この日上高地に入山した人は30人程度だったかもしれない。
昼食はK君肝いりのステーキ定食。自宅で使っているフライパンやまな板、包丁などの調理道具、2種類のたれやスパイスを持参するなど本格的な料理である。予めカットした肉900gを豪快に焼いたが、寒すぎてさすがに缶ビールやワインには手が届かなかった。コーヒーもインスタントではなく豆から沸かしてくれた。
翌朝宿から見た吊り尾根。奥穂や前穂、明神が鮮やかに見える。
河童橋のライブカメラを写真に収めた。1日違っていたらこのような景色が見られたのにと思うと残念ではあるが、こればかりはどうしようもない。大雨に振られなかっただけ良しとせねばなるまい。