京都の住居表示

普通、京都の住居表示は、通り名を主体に表す。
例)京都市中京区烏丸通夷川上がる
  これは、烏丸通(南北)と夷川通(東西)の交差点を上がった(北に行く)所を指す。

<これは堺町通六角上がるの案内表示>

京都は、縦と横の通り名を憶えておけば、地図がなくてもどこへでも行ける便利な都市である。(中心部は)
通り名を憶えるために、昔からわらべうたがあり子どもたちはみんな口ずさむ。
”まるたけえびすにおしおいけ、、、”
北から順に、丸太町(通り)、竹屋町(通り)、夷川(通り)、二条(通り)、押小路(通り)、御池(通り)、、、となっている。

ところが最近できた「郵便番号」なるものは、この便利な仕組みを無視して、町名を前面に出してきているので厄介である。
先ほどの例で行けば、604-0862 京都市中京区少将井町となり、町内の人を除けばどのあたりか全く見当もつかない。郵便配達の人も、おそらく通り名のほうがよく分かっていると思う。

困ったことに、同じ町名が一杯ある。例えば下京区には、堺町が3ヶ所。場所はいずれも離れている上に、堺町通りというれっきとした通りもある。俵屋町は中京区に3ヶ所、大黒町は中京区に3ヶ所、上京区に2ヶ所、、、。
町名を憶えても目的地に着けないが、通り名を30ほど覚えておけばおおよそのところには行き着く。従って京都の人は郵便番号にありがたみを感じないどころか通り名を省略するなど、文化の破壊だと思っている。大企業の名刺を見ても町名が省略されているところが多い。
我が家も、銀行などへの各種届出は通り名と町名を併記しているが、一社だけ受け付けてくれないところがある。日本で一番大きな生命保険会社である。何回注意しても、通り名を省略してくる。事務作業としては郵便番号を入力すれば自動変換するので、確かに便利かもしれないが、人の気持ちや文化を全く無視して、効率化のみを追求していると憤慨している。

残念ながらいまのところ「ごまめの歯ぎしり」ではある。