大覚寺・大沢池


大覚寺に隣接して(あるいは境内か)大沢池という小さな池がある。広沢池ほど大きくはないが、池の周りに無粋な建造物がないのは同じである。その昔嵯峨天皇がここに船を浮かべて観月会を催したことで有名である。これに因んで、九月の中秋には観月の夕べが催される。松尾芭蕉が「名月や 池をめぐりて 夜もすがら」と詠んだのは、この池のことである。


「池を巡る」とこのような景色を見ることが出来る。紅葉の満月の頃はさぞや美しいことだろう。

小倉百人一首の「滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなお聞こえけり」(藤原公任)で有名な名古曽の滝は鑓水が復元され、国の史跡名勝になっている。百人一首が編まれた時代に既に水は枯れていた、というところに歴史の深さを感じてしまう。

今週のお題京都新聞写真コンテスト「京滋の130景」(第一回)